2022.08.12

「ルーティーンは、全部やめた」。青木蘭が下した、ラグビーと共に生きる決断。

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本特集企画「準備が8割。勝利のためのルーティーン」では、特にトレーニング・食事・睡眠・休養のサイクルがカギとなるアスリートのルーティーンを取り上げます。

第16回のゲストは、女子ラグビー・横河武蔵野アルテミ・スターズ所属の青木蘭(あおき・らん)選手です。3歳からラグビーを始め、島根県の石見智翠館高校女子ラグビー部で全国制覇を経験。慶應義塾大学卒業後は、会社員として働きながら競技を続けるも、2021年9月に退職し、プロラグビー選手への転向を発表しました。2022年1月に開催された第8回全国女子ラグビーフットボール選手権大会では、全国制覇を達成しました。

選手としてだけでなく、ライターやSNS運用代行、YouTubeでの情報発信など、活動の幅を広げている青木選手。人生のほとんどをラグビーに捧げながら、今までにない独自のキャリアを築き上げています。女子ラグビー界のロールモデルとなるべく奮闘する彼女のルーツに迫りました。

 

茅ヶ崎の砂浜で気づいたラグビーの楽しさ

ラグビーを始めたきっかけは、家族の存在です。父が元ラグビー選手で、2人の兄もラグビー選手でした。兄の練習を見に行ったときに、親が「いっしょにやりなよ」と。3歳のときに茅ヶ崎ラグビースクールに入りました。家の中にはラグビーボールがいくつも転がっていたので、ラグビーを始めるのは自然な流れだったと思います。

ただ、最初はラグビーがあまり好きではありませんでした。スクールに女子チームは無かったので男の子に混じってプレーしており、体格差のある男の子にタックルするのが怖かったんです。ラグビーをやるためというより、友だちに会うためにスクールに通っていました。

一時期はラグビーから離れた時期もあり、小学1年生の時には、ダンスに挑戦しました。でも、性格と合わなくて(笑)。あと、両親は土日には兄のラグビーを見に行ってしまうので、ダンスの発表会には来てくれなかったんです。私のほうを向かせるためには、ラグビーをやるしかない、と思ってダンスは辞めました(笑)。

そんな中、ラグビーにのめりこむ転機になった出来事があります。茅ヶ崎は海が近いので、夏はビーチラグビーをやるんです。いつものグラウンドでは敵わない相手でも、砂浜では足を取られてしまうので、互角の勝負をすることができました。いつも逃げられてしまう相手に追いつけたり、タックルが上手くできたりしたときに「楽しいかも」と。成功体験を積むにつれて、「誰に何を言われようとラグビーをやるんだ」と突き進むようになりました。

 

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女子ラグビー部を求め島根へ。「あの選択は間違いではなかった」

その後も、中学3年生までは男子といっしょにプレーしていました。高校に進学するにあたって、それまでと同じように男子チームの練習に参加して、試合だけ寄せ集めのコンバインドチームで参加するか、もしくは日本で唯一女子ラグビー部がある島根県の石見智翠館高校に行くか…二つの選択肢がありました。

そんな中、石見智翠館高校の夏合宿を見たときに、部員同士がすごく楽しそうにプレーしているのが印象的だったんです。やっぱり毎日同じ環境で生活しているほうが、チームメイトとの絆も生まれます。母の後押しもあり、最終的には島根に行くことを決断しました。

プレーの質に関しては、高校からラグビーを始めた選手もいるので最初から上手くいくことはなかったです。2割くらいは未経験者だったと思います。

ただ、みんなすごく志が高いんです。当時は女子チームが少なかったので、高校に女子ラグビー部があることが貴重でした。選択肢が少ないからこそ、自分で考えて行動しないと競技ができなかったんです。日本代表を目指している選手も多く、みんな「どうしてここでラグビーをするのか」が明確でした。気持ちのよい環境でプレーでき、あの選択は間違いではなかったです。

当時と比べると、チーム数は増えていると思います。2016年のリオデジャネイロオリンピックで女子ラグビーが正式種目になったことがきっかけではないでしょうか。東京オリンピックでも正式種目になり、一気に裾野が広がっていきました。私が中学生のときは、競技人口も2,000人ほどでしたが、現在は4,500人と倍以上になっています。中学生や高校生をはじめ、ジュニア世代の選手が増えています。

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「自分の力で、睡眠環境を整えることも重要」

食事や睡眠、トレーニング……コンディショニングにはどれも力を入れています。管理栄養士やトレーナー、鍼灸師の方など、場面に合わせてサポートしていただいています。

睡眠については、大学2年生の頃に寝具を紹介していただきました。それ以降は、枕の高さを調節したり、遠征先にポータブルのマットレスを持っていくなど、こだわっています。それまでは、どんな睡眠環境でも同じパフォーマンスを発揮する必要があると考えていましたが、できる限り自分の力で睡眠環境を整えることも重要だと気づきました。

睡眠時間も、必ず8時間以上は寝るようにしています。「寝すぎだよ」と言われることもありますが、怪我をしないためにも、疲労を溜めないことが大切。コアタイムのある会社員時代と違って、今は自分で仕事をする時間を決めることができるのも大きいです。

ライズのマットレス「スリープオアシス」は、素材がポリエチレンファイバーなので通気性もよく、寝汗をかいてもすぐに乾きます。これまで使用していたマットレスよりも高反発で、硬い印象ですね。

体の沈み込みが軽減されるので、寝返りを楽にうつことができます。体の一部分に負担がかかることもなく、フラットな状態で寝ることができています。横向きに寝ることが多いのですが、自然と仰向けになるんです。これまで使っていた寝具は、体の向きによって沈み具合が変わるのですが、ライズのマットレスはいい意味で変化せず、常に高反発なのが特徴だと感じます。

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過去のルーティーンは、全部やめた

以前は細かくルーティーンを決めていたのですが、全部やめました。周りの人を真似したり、上手くいった日の行動を振り返ったりしていましたが、それを考えることが、自分に合っていなかったんです。今は、その時の状況に合わせて準備するようにしています。そのほうが調子がいいので。

ただ、試合前に唯一やっているのは部屋の掃除です。理由は、万が一自分が怪我をして病院に搬送されたとき、誰かが部屋に入るかもしれないから。自分に何か起きたとしても、人に迷惑をかけないように、部屋はきれいな状態にしています。命がけの覚悟で、試合に臨んでいます。

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