2022.09.28

最後の箱根も目指すは総合優勝。青学大・中村唯翔選手×中倉啓敦選手

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中村唯翔選手(左)、中倉啓敦選手(右)

 

青山学院大学陸上競技部長距離ブロックの4年生コンビ、中村唯翔(なかむら・ゆいと)選手と中倉啓敦(なかくら・ひろのぶ)選手。両選手は、第98回箱根駅伝で9区、10区を任され、共に区間新記録で区間賞を獲得し青山学院大学の総合優勝に貢献しています。

中村選手は14年ぶりに区間記録を更新した走りが評価され、箱根駅伝・最優秀選手賞の「金栗四三杯」を獲得しています。

二人のレース直前の過ごし方や緊張のほぐし方、睡眠についてお聞きしました。

 

楽しみと緊張が入り交じる試合前日

ー試合の前日はどのように過ごされているのでしょうか?

中村:特に変わったことはしないですが、なにか変えるとすれば食事です。よく食べるのは牛丼ですね。

 

ーいつ頃から牛丼をレース前に食べるようになったのですか?

中村:大学に来てからです。高校までは実家暮らしだったので、親が考えて用意してくれた食事を食べていました。大学に来てからは自分でやらないといけないので、牛丼をよく食べるようになりました。

中倉:僕も、前日に揚げ物を食べないようにするくらいで、あまりこだわりはありません。次の日のレースが午後であれば、一緒に牛丼を食べに行くこともありますよ。

寝る時間も同じですね。レースが朝なら夜早めに寝ることもありますが、午後からであればいつも通りの時間に寝ます。

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ー前日はどういう気持ちですか?

中倉:楽しみ半分、緊張半分という感じです。個人のレース、トラック種目だとあまり緊張しないのですが、駅伝だとチームの代表という立場なので緊張します。ただ、ドキドキして眠れないということはないですね。

中村:個人のレースは調子が良ければ楽しいですが、駅伝になると、緊張の度合いが大きくなりますね。

 

ー緊張しているときは、どう自分をコントロールしているのでしょうか?

中倉:失敗したときのことは考えず、好きなYouTubeを見たり、音楽を聴いたりしています。

中村:長い間緊張していると疲れてしまうので、動画などを見てリラックスするよう心がけています。レースの2時間前ぐらいからアップをしていて、そこからは集中するだけですね。

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2022年夏合宿での練習風景

箱根駅伝ではあまり緊張しなかった⁉

ー箱根駅伝のメンバーはだいたい1ヶ月前に区間発表があるそうですね。

中倉:2区のような主力は1ヶ月前に知るんですが、ボーダーライン上の人たちは1週間前くらいに知らされます。僕は、2年間とも1週間くらい前までわからない状況でした。もちろん、2年とも走るつもりでいましたよ。

中村:僕は、今年も去年も全く知らされていなかったです。ボーダーライン上の選手は、(実際に走る)10人の発表があるまで緊張感を持っていると思います。選ばれる人は、なんとなく自分でわかっているんですよね。

 

ー9区、10区を走れると知って嬉しい気持ちはありましたか?

中村:9区、10区は呼ばれるのが最後なので、緊張していました。

 

ー調子が良くてエントリーされたということなのでしょうか?

中村:全日本駅伝のときは、調子が落ちていました。練習を積んで、MARCH対抗戦で自己ベストを出せました。そこで自信がつき、その後の合宿でも良い調子で練習をこなすことができたんです。

メンバーに選ばれるか不安でしたが、選ばれてから緊張はなかったです。

 

ー中倉選手は、自分が選ばれた要因はどこにあると思いますか?

中倉:今年は2021年の経験があったのと、調子が良かったので選ばれたのだと思います。

 

ーレース当日は緊張しますか?

中村:スタートラインに立つ瞬間までは緊張するのですが、タスキをもらってしまえば平気ですね。

試合当日のアップまでは好きな音楽を聴いたり、チョコレートなど甘いものを食べたりします。レース前は、アップテンポなMrs. GREEN APPLEの曲をよく聴いています。『ロマンチシズム』という曲がいちばん好きですね。

中倉:箱根駅伝は、メンバー争いのほうが緊張するんですよね。当日は僕にタスキが渡った時点で7、8分差ありましたし、自分のチカラを出すことに集中したのでそれほど緊張しませんでした。

2021年もそうでしたね。僕がスタートした時点では前のランナーと1分以上、後ろのランナーとも30秒以上離れていましたから。優勝がかかっている状況ではなかったので、プレッシャーを感じずにすんだのかもしれません。

 

ー青山学院大に入学してから、睡眠に対する意識が変わったところはありますか?

中村:特に変わったことではないのですが、日付をまたがないことは意識していますね。22時15分が消灯なので、23時頃には眠っています。「早く寝なければ」と思うこともないですね。 

中倉:意識の変化ではないのですが、ライズのマットレスを使うようになってから、途中で目覚めることはなくなりましたね。高校時代は薄っぺらい布団で寝ていたり、睡眠の重要性を意識することはあまりなかったので。

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駅伝が楽しいと感じた瞬間

ー青山学院大に入学してから、最も印象に残っている大会やレースはありますか?

中村:2年目の全日本駅伝ですね。初めてメンバーに選ばれたのですが、レースは想定したよりも後ろの方でタスキを受け取りました。選ばれたときは緊張していましたが、タスキを受け取ってからは「あとは抜いていくだけ」という気持ちで楽しくやれましたね。

中倉:僕は、2年目の箱根駅伝ですね。初めての3大駅伝でした。

ただ、思い返せば反省点がありますね。全力を出せたとは思うのですが、最後に東洋大との競り合いに敗れてしまったり。結果も4位で、悔しい思いをしました。初めての大舞台だし、そこでチカラを発揮しきれなかったという点で印象に残っています。

 

ー最後に改めて今年の目標をお聞かせください。

中村:5月から負傷していて走れていなかったんですが、夏はしっかりと練習を積めています。出雲駅伝からしっかり走って、三大駅伝を終えたときに総合優勝できていればいいなと思います。

中倉:僕は今あまり調子がいいわけではないのですが、全日本駅伝が地元で行われるレースということもあるので走りたいです。

やはり最大の目標は、箱根駅伝。大学3年間の経験もあるので、4年目で昨年以上の結果を残したいです。どの区間を任されても走れるように調子を上げて、チームの優勝に貢献できるように頑張りたいと思います。

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