2019.11.14

【全4回連載】脳活すいみんTOPICS 第2回 現代人に多い“眠らなくても大丈夫症候群”。 本当は怖い睡眠不足

脳神経科学者である早稲田大学 枝川義邦教授による
脳と睡眠をテーマにした「脳活すいみんTOPICS」

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枝川 義邦(エダガワ ヨシクニ)

早稲田大学
研究戦略センター教授・脳神経科学者


第2回は「現代人に多い“眠らなくても大丈夫症候群”。本当は怖い睡眠不足」についてです。

現代の日本には、“眠らなくても大丈夫”と思わせる仕掛けがたくさんあふれているというのはご存知でしたでしょうか?そのひとつがオフィスの蛍光灯、コンビニ、電車、スマートフォンなどの強い光です。脳にとっては光はとても強い情報で、“眠らなくても大丈夫”と感じてしまうそうです。

“眠らなくても大丈夫症候群”になると、人はどうなるのか? 「“睡眠負債”を抱えます。“睡眠負債”とは、睡眠の借金を抱えること。少しずつ借りることで負債のように大きくなり、脳のパフォーマンスが下がるだけではなく、ある日突然大きな病気にかかったり、時には大きな事故につながることもあります。例えば“マイクロスリープ”という本人が気づかないうちに1秒から数十秒程度のちょっとした居眠りをしてしまうことがあります。会議中などに意識が一瞬飛んでいたというご経験がある方もいらっしゃると思いますが、それがマイクロスリープです。これが車の運転中に起こると大きな事故につながる可能性もあります」

国の調査によると日本人の約4割が睡眠が足りていないと言われています。実は6時間の睡眠を2週間続けると2晩徹夜したのと同じぐらい脳の働きが下がるそうです。
この“睡眠負債”に対処するにはどうすればよいのでしょう? 枝川教授によると、睡眠時間を長くすることの他、睡眠の質を高めることも有効とのこと。

睡眠不足って本当に怖い…。皆さんは大丈夫でしょうか。

※この記事は、2017年9月に東京丸ノ内で開催されたイベント、「RISE 脳すいみん3DAYS」で行われた「脳すいみん講座」よりの引用です。

 

PROFILE 枝川 義邦

早稲田大学研究戦略センター教授(早大ビジネススクール兼担講師)。1998年東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了、博士(薬学)。2007年早稲田大学ビジネススクール修了、MBA(経営学修士)。同年、早稲田大学スーパーテクノロジーオフィサー(STO)の初代認定を受ける。脳の神経ネットワークから人間の行動まで、マルチレベルな視点による研究を進めており、経営と脳科学のクロストークを基盤とした執筆や研修も行っている。